缶バッジの作り方の前に、知っておきたい印刷のこと
アーティストグッズやキャラクター、同人作品のグッズとしても定番化している缶バッジ。
特に近年では推し活の痛バッグを作るための装飾として人気を博しています。
缶バッジは買うだけでなく、コスパよくお手軽に作れるプリントアイテムのひとつです。そんな缶バッジのデータを作ってみる前に、缶バッジの印刷のことをちょっと知ってみませんか。
一般的な製造方法
缶バッジには王道の製造方法があり、ほとんどがそれに沿って製造されています。ですが、印刷会社によってちょっとずつ仕様や印刷方法が異なります。
一般的には白い紙に印刷し、それを挟み込むようにフィルムとパーツをプレスして形成します。
フィルムは透明なものだけでなく、ホログラムなどの模様が入ったものもあります。デザインはそのままでフィルムを変えるだけで、簡単に見た目を変えることができるのが特徴です。
この方法はシンプルで作りやすく、プレスする機械とパーツがあれば印刷会社ではなくとも個人でも作ることができます。しかし、フィルムの透明度が高くないと、デザインが霞んで見えてしまうのが欠点です。これがホログラムフィルムだとより顕著に出ます。もしかしたら目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
フィルムに直接刷る方法
デジタの製造は何が違うかというと、紙ではなくフィルムの裏側に直接印刷しています。
フィルムに印刷可能な印刷機を持ってるからこそできる方法です。
フィルムに直に印刷することで、色が霞むことなく鮮やかな発色を保つことができます。
また発色がよくなるだけではありません。形成すると印刷面が内側になり、インクが露出することがないため摩擦に強く傷つきづらいです。
もちろんホログラムやメタリックなどの特殊素材にも対応しています。
この方法はフィルムではなく、フィルムの下の素材を変更して見た目を変えます。
そうすることで、全体にホログラムがかかったトレーディングカードのような仕上がりではなく、デザインの一部にだけ光沢を出すことができます。この表現をするには、デジタのnoteをよく読んでいる方にはお馴染みホワイトインクを使うことで作れます。
ホワイトインクがあってもなくてもかっこいい…?!
ここでいつもならホワイトインクを全力で推すんですが、缶バッジに関してはホワイトインクなしのカラー印刷だけでもかっこいいんじゃないかと個人的には思ってます。
通常の銀素材だと、色が沈むように感じますが、メタリック素材は若干のざらつきがあり程よい光沢なので他のシルバーベースの紙やフィルムに比べて発色します。
光沢感がしっかり出るのがお好みの方は、ぜひホワイトインクなしで作ってみてください。
しかし発色するとはいっても、淡色は角度によっては見えづらくなってしまいます。濃色なら問題なくかっこよく仕上がるので、濃いめのカラーで作るのがおすすめです。
ただキャラクターイラストなど肌に光沢感が出たり、模様で透けちゃうのがちょっと…という方は、下地としてホワイトインクを追加することを推奨します。
色をかぶせて表現力アップ
先ほど、ホワイトインクを使用しないと淡色は見えづらくなると言いました。見えづらくなる理由は、色が透けるうえにシルバーベースの素材が反射することで元よりも暗く見えるからです。透けるということは、良く言えばカラーをのせても柄を隠さず、しっかり見えるということです。
メタリックもホログラムもベースはシルバーなので、黄色を印刷すればゴールドのような表現もできます。
例えばホログラムを使って、パールのような質感にしたい場合にはホワイトインクを印刷すればできます。ただ、他のカラーインクに比べて濃く出力されるので、質感が消えやすくなります。なのでインクの濃度を50%以下にする調整が必要です。CMYKとホワイトインク、それぞれの出力が見れる無料サンプルでお好みの数値を見つけてみてください。
いかがでしたでしょうか、この記事を読んで缶バッジ印刷についての理解が深まったら嬉しいです。
ホワイトインクが使用できる缶バッジは表現の幅がグッと広がります。対応している印刷会社も少なく、個性的な缶バッジを作りたい方にはぜひおすすめです。
ホワイトインクを使用せずとも、缶バッジは他の印刷物に比べると作りやすいと思うので、ぜひ挑戦してみてください。