アート×デザインでつくる印刷グッズ
クリエイターやものづくりに興味がある人たちが集まる、ものづくりイベント「クリエイターズマーケット」が今年も名古屋で開催されました。
印刷通販デジタのInstagramではクリエイターさんへの応援を込めてクリエイターズマーケットに関連した投稿をしました。
この記事ではInstagramで投稿したグッズの制作過程やポイントをまとめました。
アートをデザインしてみる
美大卒(洋画専攻)の私がアクリル絵の具で描いた作品をグッズにしました。
1877年のロンドンの貧困街で靴磨きをしている少年を、古い写真のように茶色と白色の絵の具で描きました。
ワントーンのため、色の違いで変化を持たせることが難しいです。そのため、絵の具の重ね方を変えたり、絵の具を拭ったりと絵肌に変化を持たせました。
普段のデジタの制作見本はインハウスデザイナーが発案から制作まで全てを行います。
しかし今回のクリエイターズマーケットの制作見本は、絵画を描いた私がデザイン案を出しました。そのデザイン案をもとに、デザイナーが少し手を加えて制作しました。
額縁デザインで魅力的になるステッカー
手軽に作れてコスパが良いのはシール・ステッカーです。
額縁ステッカーは、スマホステッカーとして作りました。スマホのように日常的に使用するものに貼る場合は摩擦による色落ちを防ぐため、ラミネート加工が必須です。
この絵画作品の絵肌は光沢がありません。より実物と近くなるように、ラミネート加工はつや消しマットにしました。
最初は絵画を丸く切り取ったシンプルなデザインでしたが、額縁をデザインしたらどうか?というデザイナーからの提案があり、そのアイデアを採用しました。
絵画をよく魅せるために額縁をつけるのと同じように、ステッカーにも額縁をデザインするだけでより魅力的になりました。
クラフト紙でヴィンテージ風のシールに
グッズにするとき、絵画のモチーフとなった1870年代を感じられるようにヴィンテージ風を意識しました。そのため、ヴィンテージのイメージがあるクラフト紙に印刷しようとはじめから決めていました。
イベントで名刺を配布することを想定して、クラフト紙のシールは名刺シールにしました。
クラフト紙にはオプションでホワイトインクを使用することができます。絵画部分にも下地にホワイトインクを使い、色が沈まないようにできますが、クラフト紙の時間が経った紙のイメージを活かしたかったため、絵画部分はあえてホワイトインクをなしにしました。
ホワイトインクに関してより詳しく書いた記事があるので、ご興味ある方は是非こちらもご覧ください。
古着のようなTシャツとネイビーが可愛いトートバッグ
Tシャツもクラフト紙のようにヴィンテージ風にしたかったため、生地色はナチュラルにしました。
プリント方式はインクジェットプリントです。Tシャツにもホワイトインクの有無が指定できますが、ナチュラルの布地なら綺麗に印刷できるのではないか?と思い、ホワイトインクをなしにしました。
ネイビーのトートバッグは、カラーインクだけだと生地色に負けてインクが発色しないためホワイトインクが必須です。
生地色の決め手は「ネイビーのトートバッグにしても、茶色の絵画と補色のネイビーの相性がいいから可愛くなると思う」というデザイナーの一言でした。ヴィンテージ感は薄いものの、コントラストが高く美しい仕上がりとなりました。
絵画作品をTシャツやトートバッグに印刷するのは初めての試みでした。ポイントとなるのはホワイトインクの有無です。
下地にホワイトインクがないと、ナチュラルの生地色と相まって絵画が色褪せたような印象になります。そのため古着のように見せたい場合におすすめです。
下地にホワイトインクがあると、絵画がはっきりと鮮明に印刷されます。絵画のイメージそのままを表現したい場合におすすめです。
鮮明に印刷できたブランディングとなるPOP
カード型POPのデザインは雑誌の表紙のようなイメージで作成しました。
「1877」のロゴは遠くても見える程度に、商品名や値段はブースの近くに来たら見える文字サイズにしました。
POPはブランディングにもなるため、名刺シールと同じヴィンテージのイメージがあるクラフト紙にしました。
ホワイトインクは文字だけに使用しています。白色の文字にすることでブースの中で主張しすぎず馴染みます。
POPは名刺シールよりも大きいポストカードサイズで印刷しています。絵画部分は、全体ではなく人物に寄ってトリミングをしています。そのためシールでは小さくて印刷しきれなかった、キャンバス地や色の厚みなどの絵肌まで綺麗に印刷されていました。
1枚の絵画からアイテムに合わせて多くのグッズを作成することができました。特にホワイトインクの使用でデザインの表現の幅が広がりました。
アートは真っ白なキャンバスに好きなように描くことができ自由です。印刷グッズのデザインもアイテムや素材、ホワイトインクの選択でアートと同じくらいの自由を感じました。
各商材の仕様はInstagramに記載しています。ご興味のある方はInstagram(@digita_print)をぜひご覧ください。