キャンステの作り方のコツを印刷会社が解説
キャンステとは、「キャンプステッカー」の略称です。キャンプ好きの中で名刺代わりのコミュニケーションツールとして使われています。キャンプ場の交流だけでなく、SNSでも交換相手を探すなど、オンラインでも活発に行われています。
自作や交換をしたステッカーはキャンプギアや車に貼り付けてカスタマイズするのが定番です。
家庭用プリンターでも作れますが、雨風に晒されるアウトドアシーンでは耐久力が弱いため、長く安心して使うには印刷会社に発注することをおすすめします。
しかし、ハードルになるのがデザインするためのソフトです。IllustratorやPhotoshopのような専門ソフトを扱える方もいれば、PCすら持っていない方もいると思います。
その点、弊社を含め、印刷会社によっては専門ソフトがなくてもWeb上でデザインから入稿まで完結するサービスを提供しているので、活用してはいかがでしょうか。
今回は初心者から上級者まで作れるキャンステのアイデアをスキルレベル別にご紹介します。
【初心者】シンプルかつ王道の白塩ビ
定番の円形や四角形の形状で画像を用意してもらえれば、通常の注文ではなく、デザインシミュレータからも注文できます。PCだけでなくスマホからでも大丈夫です。
絵やデザインに自信がない方や、デジタルイラストのソフトを持っていない方はココナラのようなサービスでクリエイターの方にイラストを依頼してみてもいいかもしれません。
また、デザイン以外にステッカーを注文するときに大切なポイントが2つあります。
1つ目が”紙選び”です。
ステッカーを使う際に、何の紙を使ってるかは気にしたことがないかもしれませんが、紙によって耐久性が異なります。
初心者におすすめしたいのが屋外用途のステッカーの王道”白塩ビ”です。耐水や耐候性が高く、雨風に強い素材です。表面ラミネート加工を施すことで、さらに耐久力が上がります。
比較的柔らかい素材なので曲面にも貼ることができ、車のボディやウォータータンクなどにも問題なく貼れます。
注文のときに2つ目のポイントになるのが納品形態です。
納品形態は、言葉通りステッカーが納品される時の形や状態を示しています。
過去の記事で詳しく紹介しているのでシール・ステッカーの仕上がりを決める「納品形態」とは?をご覧ください。
キャンステを知っている方ならよく見るのが剥離紙がステッカーからはみ出た状態。これはデジタでいう”1枚四角カット”という納品形態です。1枚ずつに分かれており、ステッカーより剥離紙が大きくはみ出ているため剥がしやすいのがポイントです。
できる限り安く済ませたい場合には”1シートに複数枚”という納品形態で注文して、ご自身で1枚ずつ切り分けることも可能です。
【中級】ステッカーをリッチに見せる銀ツヤ
中級者向けにおすすめなのが、紙の種類を変えて注文することです。
キャンステでは白い紙に印刷するのが定番です。あえてそこから外れることで個性的なステッカーをつくることができます。
全体に色をのせているでわかりづらいかもしれませんが、”銀ツヤ”という銀素材の紙種を使用しています。銀素材がクールな印象を与えて、シェルフコンテナなど金属のものに貼り付けると相性がいいです。
デジタの場合、注文方法はIllustratorやPhotoshopのデータ入稿のみとなりますが、注文時に選ぶ紙種を銀ツヤに変更するだけで作ることができます。
ただ、白色の紙ではなく銀素材に印刷するので素材の色に影響されてインクが沈みやすくなっています。黒などの濃色なら影響されづらいですが、注意が必要です。印刷サンプルで色の確認をしてください。
銀色の素材を出しつつも、色を沈ませたくない場合にはオプションの「ホワイトインク」を活用します。
過去の記事で詳しく紹介しているので、是非そちらをご覧ください。
今回はインクが沈むことを踏まえて、データ上ではオレンジを鮮やかめに作成しました。
銀色に対してインクの色がどう沈むかは想像しづらいと思いますが、使い方によってはいろいろな表現ができます。例えば銀色にイエローのインクを印刷して金色を再現して、金銀両方を表現したデザインなどもつくることができます。
そんなときに役に立つ色見本を印刷のKOKOROMIというストアで販売しています。今回使用した銀ツヤ単体だけでなく、印刷通販デジタで取り扱う銀素材すべてをセットにした商品もあるのでぜひご活用ください。
【上級】加工オプションを活用したUV透明塩ビ
上級者向けは、入稿データに工夫を凝らすので、Illustratorの操作に慣れている方におすすめです。
加工オプションで先ほど少し紹介したホワイトインクとハーフカットを追加しています。
この加工オプションでは入稿データにホワイトインクのデータ作成と、カットラインの追加をしなくてはいけません。
このキャンステでは、通常なら同封するメッセージをステッカー内にデザインの一部として書き込むデザインにしました。メッセージをいれるとステッカーとして使いづらくなりますが、イラスト部分にはハーフカットを追加しているので、実際に使用する部分だけ剥がして使うことができます。
透明塩ビという素材は透明ですが、剥離紙自体が黄色なので、ホワイトインクを使用して透けないようにするのがコツです。
個人間の交換だけでなく、YouTuberやブロガーなど多くのファンと交流する方々におすすめです。メッセージだけでなくSNSアカウントなどを記載してもいいかもしれません。
今回は、ちょっと大きめのはがきサイズで作りましたが、封筒に入れて郵送することもできます。
今回使用したUV透明塩ビの”UV”とはUVインクでの印刷のことを表しています。
UVインクは通常のインクよりも固く、耐水・耐候性に優れているので表面ラミネート加工なしでも十分屋外で使えます。またインク自体が盛り上がり、立体的でざらついた質感になるのが特徴です。
今回はハーフカットの追加やホワイトインクを追加したので、それなりの追加料金は必要ですが、UV透明塩ビだと表面ラミネート加工がない分安く、通常よりコスパよく制作することができます。
いかがだったでしょうか、一概にキャンステと言ってもアイデア次第で個性溢れるステッカーが作れます。一度作ってみて、さらに上のレベルにチャレンジしてみてもきっと楽しいと思います。