見え方が変わるクリアファイル
こんにちは、印刷通販デジタのデザインチームです。
今回は、「見え方が変わるクリアファイル」をご紹介します。
その名の通り、クリアファイルに紙を入れたときと抜いたときで”見え方が変わる”ようにデザインしました。特に加工オプションも使っていないので、入稿データを工夫すれば誰でも作ることができます。
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アイデアの源
デジタのデザインチームでは、入社後に取扱商品の印刷知識を身につけるために実際の入稿データをつくる研修を行います。研修でつくる作品は自由で、自分の作りたいものを作ってもいいようにしています。
その中で、今年入社した新人デザイナーから、クリアファイルを透かしたときにレインボーに見えるような表現をしたいというアイデアが出ました。
クリアファイルの透明素材を生かすこと、また「窓に浮かぶ月ステッカー」のように光によって見え方が変わるのはとても面白いアイデアです。
クリアファイルをいきなりつくるのはデータ的にもコスト的にもハードルが高いので、まずは透明素材のシールで片面ずつ印刷して無地のクリアファイルに貼り付けてモックを作ったりしました。
そこから、「他にもアイデアを足したら印刷のKOKOROMIにも出せそうだね。」という話になり、このアイデアをもとにつくることになりました。
分解してから考える
まずはじめに、クリアファイルで何ができるか、どういう表現があるのかを分解して探るところからはじめました。
他商材と違い、クリアファイルは最初からホワイトインクが印刷代として含まれています。加工オプションではない分、価格も変わらないので使わない手はないと思いました。これまで多くの作品でホワイトインクを活用して制作してきた分、ノウハウもたくさんあります。
それに加えて、デジタの無料サンプルに含まれていない要素も見本として欲しいと思いました。サンプルには基本的な写真やカラーチャート、グラデーションのような印刷見本として必要なものが揃っています。ですが、唯一なかったのがリッチブラックです。
リッチブラックのデータを作るにあたって「透明素材にリッチブラックってどんな色味になるのか?」「どのくらい透けるのか?」「ホワイトインクの上に印刷したK100%よりも濃いのか薄いのか」どれも想像がつきませんでした。せっかくの機会なので、すべて試してみようと思いました。
制作前にK:100%を基準に濃度(透明度)を想像してみました。下図のように右に向かうほど濃くなると想定しました。
印刷してみた結果、おおかた予想通りに仕上がりました。ホワイトインクを印刷することで透けづらく、ホワイトインクがないとリッチブラックであっても透けます。さまざまな濃度のパターンはクリアファイルに散りばめられています。インクの濃度差は実物のクリアファイルを見てもらうのが1番わかりやすいと思います。
クリアファイル全体の黒:K:100%
裏面の印刷のKOKOROMIのロゴ:リッチブラック
表面の左右の文字:リッチブラック+ホワイトインク:100%
背景の黒とランダムな縞模様の重なり:K:100%+ホワイトインク:20%
背景の黒と流線が重なっている部分:K:100%+ホワイトインク:100%
レイヤー構造を活かす
さらに、リッチブラック以外にもクリアファイルの構造を活かすデザインを追加で考えました。シールのようなシート状のものへの印刷の場合、ホワイトインクは下地として刷られ、上にカラー印刷されます。裏面は粘着剤なので、基本的に片側の印刷面しか見ないようなつくりです。
ですが、クリアファイルは1枚の透明のフィルム素材を折りたたんで作られています。そのため、表裏だけでなく、内と外の両側からも見えます。このようになので、カラー印刷とホワイトインクの重なりをさまざまな視点でみることができるのが面白いところです。
こだわりのポイント
メインビジュアルはフルカラーの写真をもとに作っています。新人デザイナーの初期案の「レインボーのように見せたい」は残したかったのでできるだけ鮮やかなビジュアルにしました。
写真はCMYに分版して、表面にシアン、裏面にマゼンタとイエローの合わせたものを配置しています。そうすると、紙を入れたときに表裏、それぞれの色に分かれ、抜いたときには色が重なりフルカラーに見えます。
この記事だけですべてを伝えるには、長くなってしまうので、より詳しいデータについては別の記事で解説します。
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